ポリエステル粉体塗装とは粉体塗装の1種で、被塗物にポリエステル樹脂の塗料を使用する塗装のことを指します。このポリエステル粉体塗装は、優れた耐久性をはじめとした多くの長所を持ち、特に屋外で使用する製品に有効です。
今回は、粉体塗装の基礎知識とともに、ポリエステル粉体塗装の主な用途や長所・短所などについて情報をまとめました。
さまざまな粉体塗装に詳しい塗装会社・ムラカワが行っているポリエステル粉体塗装の内容などにも触れていくので、最後まで読んでいただけると幸いです。
目次
粉体塗装は粉の塗料を使った塗装方法
ポリエステル粉体塗装の説明をする前に、まずは粉体塗装の概要について解説します。
粉体塗装の基本的な説明
粉体塗装は、粉末状の塗料を付着させて製品を塗装していく塗装方法のこと。このほかに、「パウダーコーティング」という別名も持っています。
主に「静電粉体塗装」と「流動浸漬塗装」の2つにやり方が分けられていますが、全体的にみると「静電粉体塗装」が業界の主流となっているようです。
粉体塗装の長所
粉体塗装における大きな長所は、「環境に優しい塗装方法である」ということでしょう。というのも、環境保全に有害だといわれているVOCを使用していないほか、塗料そのものの回収やリサイクルも可能だからです。
粉体塗装の短所
粉体塗装の短所としては、「色や厚みなどの細かな調整が苦手である」ことが例に挙げられます。なぜなら、粉体塗装は色の調合に手間がかかるうえに、塗膜の状態を薄く(30㎛以下)することが困難だからです。
粉体塗装の長所と短所は、こちらの記事でさらに詳しく取り上げています。焼付塗装との相違点も紹介しているので、ぜひご参照ください。
【関連記事】焼付塗装と粉体塗装の違いって? それぞれの特徴やメリット・デメリットは?
ポリエステル粉体塗装について
粉体塗装の概要について理解していただけたでしょうか。続いて、ポリエステル粉体塗装の説明に入っていきます。この段落では、用語の意味や主な用途についてまとめました。
ポリエステル粉体塗装の基本的な説明
ポリエステル粉体塗装は、ポリエステル樹脂を使った塗料によって行われる粉体塗装のこと。このポリエステル粉体塗装は「静電粉体塗装」と「流動浸漬塗装」のいずれにも対応が可能ですが、企業によって採用している内容に相違点があるため確認が必要です。
ポリエステル粉体塗装の用途
ポリエステル粉体塗装は「屋外で使用する製品」や「長時間にわたる使用が予測される製品」に適した塗装方法です。具体的にいうと、以下の内容が例に挙げられます。
- ガードレール
- 建築用の資材(建材)
- 自動販売機
- 金網
- 自動車などの部品
など
これらに加えて、「鋼製家具」「生活用品」など屋内で使用する製品にも使用可能。このように日常生活の中で、ポリエステル粉体塗装を使用して作られた製品は数多く存在することがわかります。
ポリエステル粉体塗装の長所と短所
ポリエステル粉体塗装は多くの利点を持つ塗装方法ですが、他の塗料と比べると少し物足りなく感じる部分もあります。この段落ではそんな長所と短所を紹介するので、塗装方法を選択する際の情報としてご参考にしていただければ幸いです。
ポリエステル粉体塗装の長所
ポリエステル粉体塗装の長所は、「薬品に対する耐久性が高い」「耐候性(天候、湿度、気温など屋外の環境に対する耐久性)が高い」「見た目の良い製品が作りやすい」などが主な例です。これらをはじめとした性能を見た際に特に目立った欠点はなく、利用しやすい塗装方法だといえます。
ポリエステル粉体塗装の短所
ポリエステル粉体塗装に短所といえる短所は特にありません。しかし、あえて短所を挙げるとすれば、エポキシ樹脂よりは製品との密着性が弱いこと、フッ素樹脂よりも屋外の環境に左右されやすいことが難点といえるでしょう。
ポリエステル粉体塗装以外のタイプは?
粉体塗装で使用する塗料には、ポリエステル樹脂以外にも多くのタイプが存在しますが、このタイプは大きく分けて「熱硬化性粉体塗料」と「熱可塑性粉体塗料」に分けられるところがポイント。これらの区分に沿って内容を紹介するので、補足事項としてご確認ください。
熱硬化性粉体塗料
加熱することによって「架橋反応」と呼ばれる化学反応を誘発させて硬化を進める塗料のことを、熱硬化性粉体塗料と呼びます。主な塗料の一覧は以下のとおり。
- エポキシ樹脂
- フッ素樹脂
- エポキシポリエステル樹脂
- アクリル樹脂
- 熱硬化性ポリエステル樹脂
熱可塑性粉体塗料
加熱による形状変化後に冷却させることで硬化を進める塗料のことを、熱可塑性粉体塗料と呼びます。例は下記をご参照ください。
- ポリエチレン樹脂
- ナイロン樹脂
- 塩化ビニル樹脂
- 熱可塑性ポリエステル樹脂
一般的に、静電粉体塗装では熱硬化性粉体塗料が使われることが多く、流動浸漬塗装には熱可塑性粉体塗料が適しているといわれています。ただし、塗料に対する考え方は企業によって変わることもあるため、希望がある場合は事前にチェックしておくといいでしょう。
ムラカワで実施しているポリエステル粉体塗装
ムラカワではお客様の希望が叶えられるよう、きめ細やかな作業を心掛けてポリエステル粉体塗装を実施しています。この際、前もってお客様にヒアリングを行い、要望内容が実現できるような塗装の提案を実施することも。これは、使用する塗料の内容によって性能に相違点が出るためです。
基本的にはお客様の指示に応じて作業を実施しますが、より良い製品づくりができるように誠心誠意対応させていただいております。
ムラカワは、高品質な製品が作り出せる専門的な設備も所有。またポリエステル粉体塗装以外の塗装方法にも対応しており、ドア、看板、各種部品など幅広い製品が納品可能です。
以下のページでは、所有している設備機器の詳細や対応できる製品の品目などについて説明していますのでぜひご覧ください。
【関連情報】ムラカワの事業内容や主要設備などの紹介はこちら
【関連情報】ムラカワで対応可能な製品や塗料のラインナップはこちら
ポリエステル粉体塗装に関するご相談は確かな知識と技術の「ムラカワ」まで!
ムラカワでは広島市安佐北区を拠点に金属焼付塗装やメラミン塗装をはじめ、アクリル塗装、ウレタン塗装、フッ素塗装、粉体塗装などさまざまな塗装に対応しています。
最新機械にも負けない職人技で、目指しているのは世界一の塗装屋です。
「確かな技術で明日を彩る」をモットーに、日々社員一人一人が塗装の知識を深め、技術や品質の向上を求めながら適正価格でお客様が信頼できるサービスを提供するよう努めています。
「こんな特殊塗装をお願いしてみたい」「大量の塗装に対応してほしい」など、ご要望に沿った提案をさせていただきますので、どんなお問い合せでも気軽にご相談ください!