ムラカワで扱う焼付塗装には、いくつか種類があります。そもそも焼付塗装は鉄やアルミなどの金属に粉体塗料や溶剤塗料を塗布し、熱を加えて硬化するというもの。
焼付塗装と一口に言っても、メラミン樹脂塗料やアクリル樹脂塗料などいろいろな塗料の種類があり、ムラカワでも塗装する対象の製品やお客様のご要望に合わせて適切な種類を使い分けています。
今回の記事ではそんな焼付塗装の塗料の種類について、それぞれの特徴を詳しく解説したいと思います。
「焼付塗装をしたいけど、どの種類を選べばよいか分からない」という方や、焼付塗装について理解を深めたい方は、ぜひこれらの情報を参考にしてみてください。
目次
焼付塗装とは?どんな種類がある?
焼付塗装とは、アルミやステンレス、真鍮・亜鉛ダイキャスト・アルミダイキャストといった金属などに塗装を行う方法の一つです。素材の硬度や防錆性などを高める表面加工としても幅広く活用されています。
ムラカワでは熟練の職人によって手吹き塗装を行っております。
焼付塗装の最大の特徴は、吹き付けた塗料を100〜200℃の高温で乾燥させる工程にあります。
熱風によって塗料の中に含まれる希釈溶剤が抜かれ、樹脂成分が熱重合反応と呼ばれる化学反応を起こすことにより、塗料の乾燥と硬化が促進され、強靭な状態へと変化していくのです。
なお部材となる金属の種類によっては、焼付乾燥時に変形してしまう恐れもあるため、焼付温度は塗装する部材や塗料の種類、メーカーに合わせて慎重に決定しなければなりません。
焼付塗装のメリット
自然乾燥では塗料が完全に硬化するまで数日間かかるところ、焼付塗装の場合は数十分で硬化し、塗装後すぐに製品を使用することができます。
また艶のあるきれいな外観に仕上げられるところも特徴であり、自動車や建築の部材、家電製品などわたしたちの身の回りにある多くの製品に活用されています。
焼付塗装の種類はどう選べばいい?
焼付塗装にはいろいろな塗料の種類があるため、「どれを選べばよいか分からない」という方も多いかもしれません。実際、ムラカワでもそういったお問合せをいただくことがあります。
焼付塗装の種類を選ぶときは、まず屋内に設置するのか屋外に設置するのか、使用する環境によっても選ぶべきものが変わってきます。また耐候性を重視するのか価格を抑えたいのか、どこに重点を置くかも、焼付塗装の種類を選ぶ判断材料の一つとなります。
ムラカワではお客様のご要望を聞いてから適切な塗料または塗装方法をご提案しているので、わからないことや「こんな製品に仕上げたい」といったご要望があれば、お気軽にご相談ください。
焼付塗装の種類①:メラミン樹脂焼付塗装
ここではムラカワで扱う焼付塗装や塗料について、それぞれの種類をひとつずつご紹介していきたいと思います。
まず、最も一般的で登場頻度が多いのがメラミン樹脂焼付塗装です。
メラミン樹脂焼付塗装は、二つの樹脂を合成したメラミン樹脂塗料を使用することから一般的に「合成樹脂焼付塗装」とも呼ばれています。熱で硬化する性質をもつ「アミノ系メラミン樹脂(メラミン・ホルムアルデヒド樹脂)」と「ポリエステル系樹脂アルキド樹脂」を合成して作られています。
またメラミン樹脂塗料は、焼付塗装に使われる他の塗料に比べて安価であるため、完成品のコストを抑えることができます。ただ一方で紫外線には弱く、太陽光に当たると劣化しやすいという弱点もあるため、屋外向きではありません。そのため工業製品や事務機器など、屋内での使用頻度が高い製品の塗装によく用いられます。
メラミン樹脂焼付塗装の使用用途
メラミン樹脂塗料による焼付塗装の対応素材と主な使用用途は、以下になります。
対応素材:アルミ、亜鉛、鉄などの金属製の素材 使用用途:屋内で使用する建築の部材や事務機器、ロッカーなど |
焼付塗装の種類②:アクリル樹脂焼付塗装
アクリル樹脂塗料は、一般的な焼付塗装に使われる塗料のひとつで、金属素材に広く使用されています。
メラミン樹脂塗料よりも性能が高いとされており、表面硬度が硬く耐候性に優れています。
外装や外観、カーテンウォール、看板など、屋外でも使用が可能です。
アクリル樹脂焼付塗装の使用用途
アクリル樹脂塗料による焼付塗装の対応素材と主な使用用途は、以下になります。
対応素材:アルミ、鉄などの金属製の素材(亜鉛・メッキ品は不可) 使用用途:電気機器や車、工業製品、屋内品の金属部品など |
焼付塗装の種類③:一液ウレタン樹脂焼付塗装
比較的高価な塗料を使った焼付塗装の方法であり、耐候性にとても優れ、屋外の建材や外壁などにもよく使用されています。
ウレタン特有の艶感が現れるのも特徴で、高い耐候性や耐摩耗性から多目的な用途で重宝されています。
二液型ウレタン(自然乾燥、強制乾燥)と間違えやすいので、オーダーする時には注意してください。
一液ウレタン樹脂焼付塗装の使用用途
一液ポリウレタン樹脂塗料による焼付塗装の対応素材と主な使用用途は、以下になります。
対応素材:ABSやアクリル、PCなどの樹脂製の素材、または金属 使用用途:自動車部品や家電部品、建材、産業機器など |
焼付塗装の種類④:フッ素樹脂焼付塗装
フッ素樹脂塗料は、フッ素を含んだ合成樹脂が主成分の塗料です。
フライパンの「テフロン加工」という言葉を聞いたことがある人も多いかもしれませんが、あれにもフッ素樹脂が使われています。そのことからも熱に強く水や油を弾き、簡単に汚れが落とせることがイメージしやすいかもしれません。
耐候性や耐熱性、耐汚染性に極めて優れた性能を発揮する塗料ですが、優れた性能を持つ分、コストは高くなってしまいます。
またフッ素樹脂塗料には二液常温型・高温型の2タイプがあります。これらはお客様の要望に合わせたり、素材や製品の製作の程度から判断したりして使い分けています。
フッ素樹脂焼付塗装の使用用途
フッ素樹脂塗料による焼付塗装の対応素材と主な使用用途は、以下になります。
対応素材:樹脂、金属 使用用途:工業的機械、屋根、外壁など |
焼付塗装の種類のご相談は確かな知識と技術の「ムラカワ」まで!
ムラカワでは広島市安佐北区を拠点に金属焼付塗装やメラミン塗装をはじめ、アクリル塗装、ウレタン塗装、フッ素塗装、粉体塗装などさまざまな塗装に対応しています。
最新機械にも負けない職人技で、目指しているのは世界一の塗装屋です。
「確かな技術で明日を彩る」をモットーに、日々社員一人一人が塗装の知識を深め、技術や品質の向上を求めながら適正価格でお客様が信頼できるサービスを提供するよう努めています。
「こんな特殊塗装をお願いしてみたい」「大量の塗装に対応してほしい」など、ご要望に沿った提案をさせていただきますので、どんなお問い合せでも気軽にご相談ください!